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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[73]11月25日(神楽)

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華蓮ちゃんが今朝から溜め息をついている。

｢どうした？｣と銀ちゃんが聞いても首を横に振るだけ。

新八が｢お疲れなんですね。家事手伝いますよ。｣って言っても同じ。

心配になったアタシは男二人を仕事に送り出し、女の子同士で話しをする事にしたネ。

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華蓮ちゃんにコーヒーを煎れてあげ、アタシも隣に座る。

｢どしたアルか？｣

華蓮ちゃんはまた首を横に振った。

｢だめアル。

[家族]は一緒に悩みを半分こするもんアルネ。｣

すると華蓮ちゃんはまた溜め息をついたけど、しばらくしてポツリと話し始めた。

｢…お金。｣

え？

｢お金が無くてね、困ってるの。｣

華蓮ちゃんはコーヒーを一口飲んで続けた。

｢銀時の収入はもちろん、私のお給料を足してももう今月のストックが無いの。｣

そうだったアルか!?

知らなかったヨ。

おかわりいっぱいしても怒られなかったから、まだまだお金大丈夫と思ってたネ。

きっとソレ、アタシと定春がバカ食いするせいネ。

ごめんなさい、華蓮ちゃん。

知らなかったヨ。

華蓮ちゃんがそんなに困ってたなんて、これっぽっちも知らなかったヨ！

アタシが悪かったんだから、アタシが責任持って何とかするヨ。

気が付いたら、アタシは銀ちゃん達の寝室にいた。

ここの天袋には華蓮ちゃんも知らない、銀ちゃんの隠し金庫がある。

銀ちゃんは隠してたつもりだろうけど、アタシはずっと前から知ってたアルネ。

踏み台に乗ってそれを取り出し、ダイヤル式の鍵を開ける。

ナンバーは【４６３８(よろずや)】。

キリキリとダイヤルを回すと、小さく｢カチリ｣と音がした。

蓋をそっと開けると…

あった。

銀ちゃんのお宝、結野アナの限定フィギュア！

こんな女のどこがいいのか知らないけど、銀ちゃんは｢不倫したい女性ナンバーワン｣って言ってた。

このフィギュアをネットオークションにかければ、そこそこのお金になるはず！

｢華蓮ちゃん、パソコン出して！

コレ売ろうヨ!!｣

・―・―・―・―・―・

｢こんな人形くらいじゃ足しにもなんないわよ｣と言って華蓮ちゃんが出して来たブランド品も一緒にオークションに出した。

[ＬＡ義亜]のハイカットスニーカー、[婦羅駄]のチビＴシャツ、[羅留布･老練]の靴下…

全て一昔前…いや二昔前に流行ったものばかり。

それらを一つずつオークションにかけた。

結果はもちろん全て×…。

｢やっぱそうか…。時代の遺物ばかりだもんね。

買い手なんか無いか。｣

華蓮ちゃんはまた溜め息をつく。

｢大丈夫アル!!

まだここに結野が残ってるヨ！

コイツ、伊達に朝から[ブラック星座占い]やってないネ!!｣

アタシは華蓮ちゃんの握るマウスをもぎ取り、結野アナのフィギュアをオークションにかけた。

すると…

｢…う…うっ…うわ～!!｣

みるみるうちに値上がりし、最初に提示した[￥１、０００]をはるかに上回る額に跳ね上がった！

―１５分後―

｢…ちょっ…神楽ちゃん、とんでもない額になっちゃってるんだけど…

本当に売ってもいいの？コレ。｣

華蓮ちゃんが怖じ気づく程の額に値上がりしてしまった。

ヤバイ。

この時アタシは初めて｢銀ちゃんの物を勝手に売り出してしまった｣と気付いた。

冷や汗を垂らすアタシを前に、華蓮ちゃんは

｢よしキタ～!!｣

と【売却】のボタンを押してしまった!!

画面には【売却済み】と出ている。

…やっちまったアルよ。

うっかり売れてしまって青くなっているともしらず、華蓮ちゃんは早速結野アナフィギュアを梱包し始めている。

仕方無い。

諦めてくれアルよ、銀ちゃん。

大事な家族のピンチだ…許せ!!

・―・―・―・―・―・―

｢アレ？今日の煮物、牛肉入ってんじゃん！

スゲー!!

新八、やっぱ今日、二人だけで仕事して上手くいかなかったど、頑張った俺達にご褒美だな。｣

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