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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[71]11月11日(近藤)

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廊下から、女子隊士達の明るく楽しそうな声が聞こえてくる。

その声は徐々に大きくなり、俺の部屋の前を通る頃には会話の内容が丸聞こえだった。

その彼女らの話の内容はというと…

｢やっぱ毛深い男って、ムサいよね～。｣

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｢う～ん、やっぱ毛深いよりはあまり無い方がいいですよね…。｣

部屋にトシと華蓮さんを呼び出し、先程の女子隊士の話をしてみた。

やはり女性としては毛ダルマな男は嫌いらしい。

｢男らしくていい！｣と言ってくれる人ってのはこの世に居ないんだろうか。

｢確かに髪の毛も太くて多いし、腕や指の毛も沢山生えてるよな。

しかし、他の部分もそうなのか？｣

トシが真剣な表情で俺に尋ねた。

コイツはいつも俺のくだらない事にも真摯に関わってくれる、最高の男だ。

｢うん。

脇、乳首、ヘソまわり、腿、スネ、ケツの穴…全て毛にガードされてる。

アソコなんてモザイク要らずだよ。

この夏なんか、蚊が俺の血を吸おうとして近付いて、腕毛の中で迷子になっちゃってたからね。｣

二人はしばらく考えている様子だったが、ほぼ同時に口を開いた。

｢今…腿って言った？｣

何の事？…あぁ、毛の生えてる部位の事か！

でも何でそこに食い付くんだ？

｢…腿って普通、生えないよな。｣

トシが申し訳なさげに言うと、隣に座る華蓮さんもうつ向いてしまった。

｢えっ！腿、みんな生えないの!?

ねぇ、マジで!?

マジでみんな腿毛生えないのォォォ～!?｣

二人は黙って深く頷いた。

知らなかった。

みんな普通に生えてるモンだと思ってた…。

母ちゃんが[アナログ]の事を[アナグロ]と覚え違いしてたのと同じくらい恥ずかしいな。

・―・―・―・―・―・

｢とりあえず見える部分だけでも｣と、華蓮さんが脱毛テープを買って来てくれた。

パッケージには[超強力・男性用]と書いてある。

｢よし、近藤さん。

アンタも男だ、腹くくりな。

女からモテてみたいんだろ。｣

トシの真剣な眼差しに促され、俺は躊躇しながらもズボンをおろした。

畳に座ると、早速華蓮さんがスネに脱毛テープを貼ってくれた。

｢よーく密着させないとキレイに抜けませんからね。｣

そう言って手のひらでスネを強めに擦る。

何だかマッサージされている様で気持ち良い。

それも部下とはいえ女性、しかも人妻とくるからたまらない。

あぁ、どうしよう。

こんな所で欲情しちゃったら…

なんて事を考えていたら、突然スネからバリバリバリッッッという凄まじい音と恐ろしい程の激痛が走った。

｢ギャアァァァーーーッッッ!!｣

俺は上半身隊服、下半身白褌という格好で畳の上をのたうち回った。

｢剥がすなら剥がすで、合図くらいしてよォォォ～!!｣

｢アハハハ。ごめんなさい♪｣

その目は、謝っている口とは裏腹に、ニヤリとアーチ型に光っている。

わざとだ。絶対わざと合図しなかったんだ、この女。

しかしテープを剥がした後のスネは確かにキレイに毛が抜けている。

だがこれだけではまだまだ全部は抜けていない。

どうしよう。

まだこんな痛みを味わわなくてはならないのだろうか!?

真剣に俺と向き合ってくれている二人には申し訳ないが、正直もうやりたく無くなってきた。

｢ねぇ、コレもの凄く痛いんだけど…まだしなきゃダメ？

ていうか、本当に毛を抜くだけで女の子にモテるようになるの？｣

俺は痛切な思いを素直にぶつけてみた。

すると華蓮さんは言った。

｢ハァ？何言ってんの。

毛ェ抜いたぐらいでモテる訳ないでしょ。相変わらず甘いわね。

手足がツルツルになったって、顔はクドいままでしょうが。｣

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