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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[69]１１月１日(銀時&土方)

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バイクで橋を通りかかると、キャバ嬢巫女の阿音と百音がまた何やら儀式を執り行っていた。

一心不乱に踊り狂う阿音と、縦笛吹き鳴らす百音を、通行人が物珍しそうに見物している。

またコイツらのおかしな事に巻き込まれたら面倒だ。

俺は早々に立ち去ろうとハンドルを握った。

その時…

｢邪魔しないで!!

今儀式を中断したら大変な事が…｣

そこまで聞こえたところで俺はバイクごと倒れ、気を失った……。

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『おかしな女二人が橋の上で騒いでいる』

と屯所に通報があり、俺は現場に急行した。

橋で騒いでいるというのは、双子巫女の…なんだっけか、二人組だった。

｢オイお前ら、こんなとこで何やってんだ。

通行妨害以外の何モンでもねーじゃねぇか。

サッサとやめて道空けろ！

さもなくば真選組屯所に連行すっぞ!!｣

俺が怒鳴ると、縦笛の音が止み、二人が俺を睨み付けて逆に怒鳴り返された。

｢邪魔しないで!!

今儀式を中断したら大変な事が…｣

そこまで聞こえたところで俺はその場に倒れ、気を失った……。

・―・―・―・―・―・

あ～…何だ、今の？

突然意識が無くなるって、貧血かなんかか？

まぁいいや。とりあえずウチ帰んなきゃ。

バイクを起こして…っと。

…アレ？俺の服、袖あったっけ？

しかも今日黒の長袖着てたっけ？

おっかしーな…

｢あﾞあﾞァーーーッッッ!!｣

うっせーな、誰だよいきなり。

儀式のせいで頭おかしくされたってか!?

何気無く叫び声のした方を見ると、【俺】がビックリ顔でこっちを指差しているではないか!!

｢おっ…俺ェェェ!?!?!?｣

｢おっ…俺ェェェ!?!?!?｣

俺と【俺】は同時に声を発した。

どういう事だ、コレは!?

俺が【俺】で、【俺】が俺で…

…ん、まぁとにかく落ち着け、俺。

胸に手を当てると、ポケットに手帳が入っていた。

開いてみると、そこには

『特別警察真選組副長土方十四郎』

と書いて写真がついている。

え、まさか…

俺は自分の着ている物や髪を確認した。

コ…コレは…

ペッタリヘアーに黒い上着！

俺、真選組の土方になってんじゃねェかァァァ～!!

何でだ、何で俺は今土方なんだ!?

そして俺自身の体は一体…

ハッ、あそこにいる【俺】の中にいるのはもしかして…

｢お前…もしかして土方？｣

俺は【俺】に話し掛けた。

すると【俺】は目を丸くして答えた。

｢お前こそ…万事屋か？｣

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互いに落ち着きを取り戻し、確認し合った。

俺と万事屋の魂は入れ替わり、俺は万事屋になっており、万事屋は俺になっている。

どうやら阿音と百音の儀式を中断させたのが原因らしい。

｢どーすんだよ、コレ。

あのクソ巫女姉妹、もういなくなってんぜ。｣

橋の欄干にもたれかかったた万事屋がぼやく。

どうしよう。

これからずっとこのまま元に戻れなかったら、真選組はコイツに託さなくてはならなくなる。

いや、それだけは断じて出来ない!!

しかし戻る方法が見付からない限り、それは仕方がないのか。

身体ごと生活全般がそっくり入れ替わったという事は…

俺は小汚ない万事屋に住み、チャイナ娘とメガネ少年とどでかい犬を養い、バカ強い嫁さんに尻に敷かれて生きねばならないのか。

絶望感に見舞われ、俺は溜め息をついて川の流れを眺めていた。

すると突然、万事屋が俺の首根っこ掴んで凄んできた。

その顔はまさに鬼。

そうか、俺って怒るとこんな顔するのか。

｢お前、今日はとりあえず万事屋に帰る事になるだろうが、

テメェうちの嫁さんに…華蓮に手ェ出してみろ、
……タダじゃおかねェからな。｣

俺の顔をした万事屋が俺に言うと、結局俺が俺に言ってるみたいで気色悪い。

｢何もしねぇよ。

誰がいるかよ、あんな乳の無ぇ女なんか。

お前こそ…ジロジロ見んなよ、俺の身体とか。｣

俺達はまた明日一緒に阿音と百音を探す事にし、各々の場所へ帰る事にした。

明日の朝まで、坂田一家を騙し続ける事が出来るだろうか…。

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