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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[67]10月23日(近藤)

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｢寺子屋の給食で、クジラの竜田揚げって出てましたよね。｣

昼飯時の食堂で、華蓮さんが言った。

｢出てた出てた。

なんかオレンジ色のソースかけてたよな。｣

トシが、肉ジャガにタップリとマヨネーズをかけながらそれに返事する。

｢でもね、私よりも四つ年下の隊士の頃には出てなかったんだそうですよ。

それどころか『え～っ！華蓮さん、クジラ食べた事あるんですか!?』ですって。

私ビックリしちゃった。｣

そうか、最近の人はクジラを食べた事がない人が多いのか。

俺達の幼い頃は、やたらクジラ肉を食べていた記憶があるけどなぁ。

｢そういえば、エリマキトカゲとウーパールーパーも知らないらしいぜ。｣

今度は残り少なくなったマヨネーズ容器をブンブン振りながら、トシが言った。

｢いたいた！

エリマキトカゲって頭のまわりにマントみたいなのが付いてて、それを広げて走るヤツですよね。

で、ウーパールーパーはピンクのサンショウウオ。

流行った頃にはグッズもよく見掛けたけどね。

私、エリマキトカゲのカンペン持ってましたもん。｣

エリマキトカゲにウーパールーパーか。懐かしいな。

今ちまたで珍獣ブームが密かに来てるっていうから、もう一度世に出せばイケそうな気がするけど…。

｢あ、そうそう。

昔の携帯電話って今みたいに小さくなくて、ショルダーバッグ式に肩から掛けて持ち歩いてましたよね。

覚えてます？｣

｢覚えてる!!

そんでワンレン・ボディコンの眉の太いネェチャンが、それ肩から下げて偉そーに歩くんだよな。

今考えたらダッセーよな。｣

そういえばそんな時代もあったっけなァ。

その後PHSが幅をきかせた時代を経て、現在に至る。

あの頃は、まさかケータイにメール機能やカメラ機能が搭載されるなんて夢にも思わなかった。

進歩したよ、ケータイは。

｢この間若い隊士達とカラオケ行って、これまた驚きですよ。

私達世代の[Choo Choo Train]っていったら当然[Zoo]だったじゃないですか。

ところが今は[EXILE]ですってよ！｣

えっ、[Zoo]じゃないの!?

あいつら元気にダンスしてたじゃん。いつの間にいなくなったの!?

｢[イモキントリオ]とか[やまだかつてないWink]とか[ゲイシャガールズ]とかの企画モノもいっぱいあったけど、アイツら一体どこに消えたんだろうな。｣

ホント、どこに消えたんだろうね。

世間に忘れ去られた今、彼らは幸せになっているのだろうか。

｢あ、大変！そろそろお昼休み終わっちゃう。

それじゃお先に…ごちそうサマンサ～!!｣

｢お、懐かしいなぁオイ！のりピー語かよ!?

じゃあ俺も…よっこい庄一!!｣

オッサン・オバサンコンビは食堂を出た。

やはり俺達９０年代を生きた人間は、あのえげつない程に光輝いていたバブル期を、時々振り返りたくなるもんだ。

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