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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[58]９月１１日

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ありがたい事に、また真選組に置いていただける事になった。

みんなが私を引き留めてくれるなんて夢にも思わなかった。

こんなに慕ってくれていたなんてこれっぽっちも知らなかった。

私は一人じゃない。
それを改めて実感した。

一方菜々美はあの後、｢面白くな～い｣とあっさり辞めて帰ってしまった。

お嬢様の我が儘っぷりは以前と少しも変わっちゃいない。

銀時には悪いけど、私、もう少しだけ真選組(ここ)にいたい。

まだまだ私が守らないといけないものが沢山あるから…。

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局長の首のアザと、菜々美と一緒に部屋から出て来た土方さんが気になり、ｽﾞﾊﾞﾘ聞いてみた。

局長は数名の男子隊士が菜々美の餌食になっている事を知り、｢いずれ自分達幹部の所にも来る｣と直感的に感じ、すぐに土方さんと総悟君に注意を促したそうだ。

その夜、案の定菜々美は局長の寝床に押し掛けて来た。

相手にすまいと狸寝入りを決め込んだ局長であったが、菜々美は強攻作戦に出るべく首にキスマークを付けた。

あまりの積極的な行動に驚いた局長は、力ずくで部屋から追い出したという。

その足で、今度は総悟君の枕元にやって来た。

しかしあの女は大の虫嫌い。

部屋中に据えてあるカブトムシ飼育ケースを見た途端、悲鳴を上げて出て行ったそうだ。

そして残るは土方さん。

すでに日が昇り始めた時間であったが、菜々美は果敢にも床に潜り込んで来た。
そして土方さんの身体をまさぐり始めたが、タイミングをはかって腕をねじり上げ、刀を突き付けるとおとなしくなったという。

｢…華蓮お前、俺らの事疑ってたろ？｣

無言でコクンと頷くと、土方さんは眉間にシワを寄せ、

｢甘く見んじゃねーよ。

俺らには侍のプライドってもんがある。

そんなクオリティの低い女となんか絶対寝やしねぇんだよ。

どうせならもっとマシなのと手合わせ願いたいもんだぜ。｣

と武士の持論を唱えた。

武士道を語らせたら、この人に敵う人はそうそういないだろう。

｢え～、そう？

俺、もし真選組が乗っ取られるとかじゃなかったら、身を委ねたかもしんない。｣

土方さんが局長を睨み付けながら、刀に手をかけた…。

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