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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[56]９月８日

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菜々美と女子隊長の座を争う事になってしまった。

しかも彼女が最も得意とする真剣で…。

私はこの【百華】を、犯罪から江戸市民や仲間を守る為に役立てるのだと、常日頃から念頭に置いて仕事をしている。

しかし今、その自分の流儀を犯さなければならない事態となっている。

嫌だ、そんなの。

そりゃ確かに菜々美には今まで散々酷い事をされてきた。

でも私は今はまだ真選組女子隊長であり、菜々美は女子隊の隊士である。

つまり【仲間】なのだ。

仲間を斬るなんて、私には出来ない…

一人女子隊長室の机で悩んでいると、当の悩みの種、菜々美が入って来た。

｢あら～、天下の女子隊長サマが下剋上に怯えて悩んでんのかしら？

あ～分かった！アンタ、『仲間なんだから斬れな～い』とか思ってるんでしょ！｣

図星なだけに言い返せない。

｢そんな甘っちょろい事言ってるから、私に何でもかんでも根こそぎ持ってかれるのよ。

私はアンタとは違う。

欲しいものは何が何でも手に入れる。

それで誰かが傷付こうとも。

…それくらいの心意気が無いんじゃ、女子隊長なんて到底務まらないわね。｣

その通りかもしれない。

仲間を斬れるくらいの強い精神力が無ければ、真選組で働く事はおろか、女子隊長でいる資格はないのかもしれない…

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