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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[51]８月３１日

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当然の事ながら、局長と土方さんから呼び出しを食らった。

昨夜の伊東を殴った一件についてのお説教だろう。

｢…まぁ華蓮さんの事だから無意味に殴ったりはしないはずだから、何か理由があったんだろう？

教えてくれないかなぁ。｣

局長は意外に優しく尋ねてきた。

伊東の立場を考えてやればここで話さない方が良いに決まってる。

しかしそれでは私の立場が脅かされる。

私は悪くないのにそれじゃあんまりだ。

仕方ない。諦めろ、伊東。

｢くちづけされそうになりました。｣

局長も土方さんも一瞬驚いたような顔をしたが、続いて溜め息をついた。

｢…そうか。奴はやっぱり変わらんのだなぁ。

あいつは気に入った女性に出会っても、どう口説いて良いか分からないんだよ。
だからあんなやり方をして、それで失敗しちまうんだ。
ごめんな、華蓮さん。｣

良い歳してそんな事も分からないって…

あんなに男前なんだから、それなりの女性経験もあるだろうに。

｢素人童貞なんだよ、アイツ。｣

｢コラ、トシ!!｣

…はい!?

｢風呂場で見た。

アイツ仮性包茎なんだ。

それが原因でなかなか一般女性と関係が持てなかったらしい。｣

何だソレ。

｢…まぁトシが言っちゃったから仕方ないけど…

仮性包茎くらいなら別に気にしなくても、彼女や奥さんがいる人はいっぱいいるんだよね。

だけどアイツはプライドが高いせいで、ひどく気にしてるみたいなんだ。｣

へえぇ～。
そりゃお気の毒に。

｢だから今までプロの女性としか関係を持った事が無くて、一般の女性を落とした事が無い。

プロならあれで落ちるかもしれないが、一般の素人女性にあれでは毒が強過ぎるよなぁ。｣

賢い人には賢い人なりに、悩みがあるもんなんだなぁ…。

｢やっぱ普通の女性には、スパーンとストレートに愛を叫ばなくちゃダメだよな、スパーンと。｣

スパーンと愛をさけんで、いっつもスパーンとやられて帰って来るのは誰ですか。
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