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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[47]6月13日(近藤&土方&沖田&華蓮)

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｢ピザ…あと３キレだね。｣

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俺とトシと総悟と華蓮さんで注文した宅配ピザ。

最初は８キレあり、４人で２キレずつ食べられるはずだった。

しかしたまたま部屋に訪れたザキに１キレやってしまった為、７キレという半端な数になってしまった。

そして今、１キレずつ食べ終えた俺達の前には３キレのピザが残されている。

｢いいよ、お前ら食えよ。
俺はいいから…。｣

｢いや、近藤さんを差し置いて食う訳にはいかねェよ。

俺もう要らねェから、アンタら食えよ。｣

｢そんな…皆さん食べて下さいよ。

殿方そっちのけで食べるなんて、私にはそんな事…｣

｢いやいや、俺はいいっスよ。

おい先短いアンタらに譲りまさァ。｣

みんな遠慮して譲り合い、一向にピザが無くなる気配が無い。

しかしここで俺が、｢そうか？じゃあいただきまーす！｣という訳にもいかんだろう。

｢局長ともあろう者が大人げない｣と思われかねない。

ここまで築いて来た信頼をピザごときで失うなんて事だけは避けたいからな、絶対。

でもお前ら、よ～く考えてみろ。

このピザのお代はどこから支払った？俺のポケットマネーからだろうが。

という事は、俺には十分食う権利があるはずだ！

しかし自分じゃ言えないよなァ～、｢俺が金出したんだから！｣なんて。

頼むから誰か言ってくんないかなァ…。

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ヤベェ、ここの店のピザ美味ぇや。

正直もう１キレ食いたい。

しかし[鬼の副長]ともあろう俺が、他の誰かを犠牲にして嬉しげに食うというのも気が引ける。

だがこの味は｢誰かを犠牲にしてでも食べたいと｣思わせる程の魔性を持っているのだ。

クソ！どうする俺!?

このまま譲り合っていては平行線を辿るばかりで、ついにはアツアツが命のピザが冷めてしまうだろう。

どうしたらいい、俺!!

[真選組の頭脳]とも呼ばれるこの俺だ。

頑張れ俺!!何か良い戦略が思いつくはずだ。

う～んと、う～んと…

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ホント気が利かない男達なんだから、まったく!!

アンタら[レディーファースト]って言葉を知らないの!?

これだからロクな女にありつけないのよ。

だいたい｢この店のピザが美味しい｣って教えてあげたのは私よ。

だったら私が食べる権利バッチリじゃない！

サッサと寄越しなさいよ、アツアツなうちに!!

・―・―・―・―・―・

ホント美味いわ、この店のピザ。

宅配モンの味なんてたかが知れてると思ってたけど、見事に裏切られましたねィ。

チーズもサラミもケチる事なくふんだんに乗せてあるわりには、ムネヤケで気持ち悪くなる事もない。

こんな美味いモン、土方にやる訳にはいきやせんねィ。

何とかしてアイツの口に入れさせない策を捻り出さないと…。

・―・―・―・―・―・

｢どうする？

早くしないと冷めちゃって美味しくなくなるよ。｣

｢そうですね。どうしようかしら…。｣

｢う～ん…よし。

じゃあここはひとつ公平にジャンケンでもして…｣

｢ペッペッペッ!!｣

｢アッ！｣
｢アァッ!!｣
｢アァァ～ッ!!!｣

｢…あ～ぁ、３キレとも俺のツバだらけになっちまいやしたねィ。

こんなんで良かったら食ってもいいんですぜィ、皆さん？｣

｢｢｢き…貴様ァァ～!!!!｣｣｣

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