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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[45]５月３０日( 〃 )

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高橋名人、案外ヒマなんだろうか。

真選組からのオファーに、二つ返事で食い付きやがった。

ギャラもお通ちゃんの時とは比べ物にならないくらいの低プライスで承諾しているようだし、この人にはかつての名ファミコンプレーヤーとしてのプライドがあるんだろうかと心配になる。

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かくして高橋名人が屯所にやって来た。

おそらく全盛期にはお抱え運転手の一人もいたであろう彼だが、今日は自前の国産車でご登場だ。

かつてはハド○ンのハチのマークの付いたキャップがトレードマークだった。

それがあってはじめて[高橋名人]だというのに、今目の前に座ってお茶を飲んでいる彼は、キャップ無しでタダのオッサンだ。

分かってない、分かってないよこのオッサン。

[高橋名人]というキャラを…。

そういえば先日の会議で高橋名人をボロクソに扱き下ろした土方と華蓮さんだったはずだが、いつの間にか二人とも座敷で名人と向かい合ってはしゃいでいる。

｢【高橋名人の冒険島】のソフト、俺持ってたっスよ！

なすび食うとパワー減るんスよね。

実際なすび嫌いなんスか？｣

｢あ、その頃【バグってハニー】っていう歌出してらしたんですよね。

あと、【僕らのスターソルジャー】とか。

懐かしいなァ～。

そうだ！今日のキャラバンの時、是非歌って下さいよ!!｣

｢ワァ～聞きてェェェ～！

【僕らのスターソルジャー】は、絶対あのボックスステップ付きで!!｣

なんて調子が良い大人なんでィ。

お前らのような奴らなんかの要望を聞いて、歌など歌わせてなるか。

俺は歌が聞きたいんじゃなく、あの【伝説の１６連射】を生で見たいだけなんでィ!!

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時間になり、俺達は[特別警戒デー]の看板が掲げられたキャラバンカーに乗り込んだ。

まずは街頭でキャラバンカーの上から、近藤さんと一日局長が演説を済ませ、その後街をパレードする…という流れなのだが…

人選が地味だったのか、それともマニアック過ぎたのか、キャラバンカーの周りに集まった人は三十代前後の人ばかりだ。

まいったな。

どうにか若い奴らも集めたいんだが、何か策は…

うん、仕方無い。アレで行こう。

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｢皆さん、こんにちは。

今日一日局長を勤めます、ファミコンプレーヤーの高橋です。｣

うん、やっぱり高橋名人はこうでないと。

キャラバンカーの上から民衆に向けて演説をしている彼は、俺の提案でハド○ンキャップに腰ミノを巻いている[冒険島ルック]だ。

土方・華蓮さん世代は涙を流さんばかりに喜び、若い世代は物珍しさに飛び付いてきた。

さすが俺！作戦成功ですねィ。

さて次は…おっと、時間が押してる。巻き入れないと！

｢それでは高橋局長に、かつての名曲【バグってハニー】を【僕らのスターソルジャー】の振り付けで歌いながら、伝説の１６連射をご披露いただきやしょう。

…出来やすよねィ？名人。｣

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