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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[40]５月２日(近藤)

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パキッ。

アレ、何か踏んだ？

・―・―・―・―・―・

｢すみませんでしたね。

局長ともあろう方に『コレ屯所に持って帰っといて下さい』なんてお願いしちゃって。｣

『急に寺子屋に寄る用が出来たから』と、出先の華蓮さんから愛刀【百華】を預かったのは午前だった。

｢もうこれで私、帰宅しますから。

あのォ、刀は…｣

そして今は夕方。

俺の部屋へ寄った華蓮さんに刀を返さないといけないのだが…

｢すいません。

もうすぐスーパーの鮮魚コーナーでタイムサービス始まるんで、私の刀を…｣

分かってる。

分かってるんだが、返そうにも返せないんだよ…

｢あの、局長。

早くしてもらえません？

うち今日、『焼き魚食べたい』ってみんな言ってるんですよ。｣

だよね。

焼き魚食べたいよね。

俺も食べたいよ。

でも…

でも…

｢子供じゃないんですから、イタズラも大概にして下さい！

そんな『渡そっかな～どうしょっかな～』みたいな事したって、全然かわいくありませんから。｣

いや、かわいく見せようとかそんなんじゃないから。

ヤバイな。華蓮さんイラつき始めた。

こんな時に言うの、怖いな。

もっと早く言っちゃえば良かったかな…。

｢あﾞ～もぅ、局長！

いい加減にして下さい!!

さっさと私の【百華】出せっての!!｣

ついに華蓮さんが仁王立ちで拳を握り締めた!!

もう誤魔化せない…

俺は土下座し、意を決して彼女に告げた。

｢すいまっせん!!

畳に置いたままなの忘れてて、踏んじゃいました!!｣

真っ二つに折れた【百華】を押し入れから取り出すと、華蓮さんは一瞬白眼をむき、クラリと畳に倒れそうになった。

｢危ない!!｣

と支えたが、華蓮さんはすぐに持ち直し、無表情のまま床の間に向かって歩き出した。

ヤバイ、まばたきしてないよ…。

そして刀置きにあった俺の愛刀【虎徹ＺーⅡ】に手を掛けた。

｢…何コレ、汚ねェ刀ぁ～。｣

そう言った瞬間、俺の【虎徹っちゃん】は華蓮さんの立て膝の上で真っ二つになった。

まだローン残ってたのに…。

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