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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[37]６月２１日

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うちの隊の最年少は、１８歳のサツキだ。

誕生日は５月ではないのに何故か名前は『サツキ』。
理由を聞いたら、『３月生まれ→三月→さんつき→サツキ』なんだとか。

入隊面接の時点ではまだ弱冠１７歳であったが、剣術で名の知れた武居真刀流の家元の娘という、きちんとした家柄の折り目正しさがうかがえた。

そんなお嬢様で世間知らずなサツキも、最近彼氏が出来た。

年上の女子隊士達に連れられて行った合コンで知り合った、若い医師だという。

病院に勤めていた私でさえ医師はゲット出来ずにいたのに、何故外部の者があっさりゲット出来るんだろう？

世の中間違ってる。

そんなお嬢様・サツキが、何だかこのところ不審な行動を取っている。

本人はニコニコ笑って楽しそうにしているが、常識を逸脱している点が多々見られるのだ。

例えば先日から、やたら夜勤をシフトに入れたがる。

それに今まではみんなと喫茶店に行ってお茶をしたりしていたのに、それも全て断っているという。

さらには給料日直後だというのに｢お金が勿体無いから｣と、美容院にも行かないというのだ。

江戸で稼いで田舎の実家に仕送りしている隊士は少なくない。
しかしサツキの場合、実家はお金持ちの名家なのだからそれはまずない。

彼氏は医師でお金には困ってないだろうから、男に貢いでいる可能性も考えられない。

じゃあどうして…？

しばらく様子を見ていたが心配になり、ついに私も口を出した。

｢サツキ、あんた最近どうもお金が入り用のようだね。

何に使ってんの？｣

当然サツキはうつむいて黙っている。
私はさらに問う。

｢真選組は危険が伴う仕事だから、一般の女性よりは給料が良いわ。

それなのに足りないって…｣

するとサツキは顔を上げ、意を決したように言い放った。

｢私、彼と結婚するんです！！｣

はあぁ～！？

付き合ってまだ一ヶ月経つかどうかで、しかもあんたまだ１８歳でしょ！？

サツキは顔を赤らめながら、嬉しそうに続ける。

｢それで今、結婚して彼が実家の医院を継ぐ為に改装してるらしくて、その開業資金が要るんです。

だからお嫁さんになる私も頑張って働いて、お金を稼がなくっちゃっ…て。｣

それ、本当かしら？

社会人とはいえ、まだ未成年だ。
江戸での保護責任は私にある。

今真相を確かめなくては、いずれ大変な問題に発展しかねない。

医者の彼氏の素性を探ってもらう為、私は銀時の元を訪ねた。

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