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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[21]１月１３日(土方)

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結局、近藤さんのウルウル目と総悟の口撃に押しきられ、神聖なる屯所内で猫を飼う事になってしまった。

近藤さんは猫を溺愛し、[おタエちゃん]と名前を付けた。

華蓮は首に鈴の付いた赤いリボンを巻いてやっていた。

総悟は台所で猫を放ち、ネズミを追わせていた。

その他の隊士達も猫一匹にメロメロになっている。

あぁ、情けない。

侍たる者、猫だ犬だごときに現を抜かすなど本来ならもっての他だというのに。

全く。

隊士達の志気が落ちねば良いが…。

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昼飯を終え、一休みしようと部屋に戻ると、机の前の座布団に例の猫･おタエが丸くなっていた。

今からその座布団を枕に昼寝しようとしていた俺は軽くイラッときた。

別にここじゃなくても良いじゃないか。

もっと寵愛してくれている奴らがいくらでもいるだろう。

座布団の端を持ち振り上げると、おタエはコロコロと畳に転げ落ちた。

安眠中の青天の霹靂に、おタエは目を丸くしている。

ざまぁみろ。

猫の分際で副長様の座布団に寝るなど、とんでもないハナシだ。

今度俺の側に来てみろ、またこういう目に逢うぞ。

よーく覚えときやが…

れ…

あれ？

おタエはつい今痛い目に遭ったばかりにも関わらず、また俺の座布団の上に寝始めた。

バカかコイツ!?

もう一度座布団から振り落とすと、今度は脱ぎ捨ててあった俺の上着の下に入り、眠ろうとした。

どうしてもここにいたいのか…。

仕方無くそのまま放っておき、俺は座布団を半分に折り、知らん顔して横になる事にした。

しばらくすると、何だか腹の辺りが生暖かく感じたので瞼を開き、腹の上を見ると、かのおタエが丸くなって寝息を立てていた。

…コイツ、本っっっ当に

バカだろ。

あんだけ嫌がらせされてんのに、それでも側に寄って来るって…

フフン、大した女だぜ。

参ったよ。

｢よし、しゃあねぇな。

お前、俺の妾にでもなるか。｣

俺は起き上がっておタエの脇腹を持ち、抱き上げた。
するとおタエは｢にゃあー｣と返事をし、あくびした。

その時、俺はある事に気が付いてしまった。

ヤベェ、知らなかった。

コイツ…

｢おーいトシ、おタエちゃん知らな…

あ、いたいた！

心配ちまちたよ～♪｣

本庁から帰ってきた近藤さんが、早速愛猫を探しにやって来た。

どうしよう。

今俺が気付いてしまった事実を話すべきだろうか。

ショックを受けるだろうな。

実際俺もちょっとショックだったし。

しかしいずれは誰かが気付かなければならない事だ。

俺は心を鬼にして発言した。

｢近藤さん、あの…実はその…コイツ、

タマ付いてる。｣

｢え、タマってまさか…

おタエちゃん、オスゥゥゥーー!?｣

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