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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[110]６月７日(近藤)

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｢そうか。ついに華蓮さんも産休か…。｣

大きなお腹を擦りながら微笑む彼女を前に、俺とトシの顔もほころぶ。

｢半年間の産休後、復帰か。

しかし帰って来た時には平隊士だがな。｣

そう、トシの言う通り。

産休入りを機に、女子隊長の席をしっかり者の京子ちゃんに譲り渡すのだ。

｢なんだか淋しい気もするけど…

でも、彼女ならきっと立派に隊を率いてくれますよ。

私よりもむしろ彼女の方が、女子隊長には向いているかも。ふふふ。｣

華蓮さんはそう言いながら局長室の天井を仰ぎ見た。

そこへかの人、京子ちゃんがやってきた。

｢おぉ、待ってたよ、京子ちゃん！

大事な話しがあるんだ。

ちょっとここへ座ってくれないかな。｣

｢実は、私も皆さんに御報告がありまして…。｣

背中を押し、室内へ促すと、我々が女子隊長任命の話しを出す前に彼女自ら口火を切った。

｢実は私…オメデタらしいんです。｣

｢…は？｣

｢…え！？｣

｢オ…オメデタァァァ！？｣

我々三人は突然の告白に驚き、床の間の前でのけ反った。

｢先日より月のモノが無くなって、病院で検査してもらったところ、陽性反応が出て…今、５ヶ月目です。｣

｢……あ…そう…なんだ。｣

５ヶ月目…
そういえば京子ちゃんは冬にしばらく実家へ帰省していたっけな。

彼氏が地元にいるって言ってたから、その時の…かな。

｢お腹の子の父親は、仙台藩主様の甥っ子とかいう例の彼？｣

のけ反った身体を今度は前のめりにさせ、華蓮さんが問うと、彼女は頬を紅く染めてコクリと頷いた。

｢彼と両親に報告したら、とても喜んでくれて…。

地元に帰って彼と結婚するつもりなので、来月いっぱいで退職させていただきたいと思っています。

これまで大変お世話になりました。｣

動揺しきりの俺達を前に、京子ちゃんはペコリとお辞儀をし、部屋を去った。

俺達は、本来下すはずであった女子隊長任命の辞令を取り消さざるを得なくなった。

ピシャリと閉まった襖をぼんやりと眺めながら、俺とトシと華蓮さんは溜め息をついた。

｢…保育施設を設置するからさァ…

お産した後すぐ戻って来てくんない？

華蓮女子隊長サン。｣

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