〜第2章〜
[04]裸の付き合い
「やぁーだぁぁ!」
手足をバタバタさせハルカが駄々をこねる。
「なにがいやなんですか?」
ハルカを意とも簡単に持ち上げお姫様抱っこで風呂場へ向う。
「お!お風呂に入ると寿命が縮まるんだぜ。」
「そんな事ありません。」
「今日は、風邪気味で。」
「あんだけよく食べて暴れれる体力あるんだから大丈夫です。」
脱衣所に下ろされる。「さぁ…脱いでください。恥ずかしいなら後向いてますから。」
「でてけよ…。」
「さっきみたいな事になったら面倒ですからね。」
そぅ言い背中を向けるレイ。
「わかったょ…。」
渋々ハルカが服を脱ぎ始める。
「…なぁ。」
「何ですか?」
背中越しに会話する。
「ついてきてくれないか?俺…水が苦手なんだ…。」
「いぃですょ。」
服を脱ごうとするレイ「服着たままでいぃんだよ!」
「えーっ…。意味がわからな…。」
レイは、振り向きハッと息を呑んだ。
ハルカの体中には、あざがたくさんあった。背中には、鞭で叩かれたような後。
キレイな顔とは、ギャップがありすぎるくらいに無残な体をしていた。レイは、涙がでそうだった。
「早く入るぞ!」
タオルを一枚腰にまき浴室のドアをあける。「あぁ…。」
服は、着たままでズボンは、膝くらいまで折曲げ、シャツは腕まくりしてレイは浴室に入った。
湯気が浴室の中にたちこめていた。
「なっ!なんだこれ!」
ハルカが浴槽の方を見て驚く。
「ふふっ、期待通りの反応ですね。多分入った事ないんじゃないかと思って泡風呂にしてみました。」
「すげぇ!やっほー♪」
バッシャーン!
「あれ…お風呂嫌いじゃなかったっけ?」
「こんな楽しいお風呂なら毎日入ってやるよ♪」
泡で無邪気に遊ぶハルカ。
その姿を見ながらレイは複雑な心境だった。お風呂に入りたくない理由って体の事かな?あんな傷すぐにできるもんじゃないな…。昔から…。
「うわっ!!」
いきなりびしょ濡れになるレイ。
「ニャハハハハ!お返しだい♪」
シャワーを片手にハルカが言う。
「ハルカさん!あぁ…びしょびしょだぁ。」仕方なくレイも服を脱ぐ。
レイは見掛けによらず意外と筋肉質だ。男らしい体だ。ハルカも思わずドキドキしてしまった。
「お!お前前隠せよ!」
ハルカが照れて背中を向ける。
「いぃでしょ?同じモノついてるんだし。」そう言いハルカの横にレイが入る。
「あぁ…気持ちいいですね。」
するとハルカが自分の体をぎゅっとしうつむく。
「どうしました?」
「俺…なんか恥ずかしくなってきた。こんなガリガリで…傷もイッパイだし。お前みたいに筋肉もついてないし。」
「ハルカさん…。確かに過去は辛い事が多かった様に見受けられます。ですが未来は明るいモノに私としていきましょう。」
「お前の目的は何なんだ!?」
ハルカが泣きそうな顔で言う。
「目的…アナタの心ですかね?」
クスッとレイが微笑む。
「な!なんだそれ!気持ち悪ぃ!」
そう言いながらもハルカはどこか嬉しそうだった。
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