†*†*†*†*†*†*†*†*

負けない!!負け犬【３】～私とＪｒ.と銀時と～《連載中》

†*†*†*†*†*†*†*†*

[38]６月４日(近藤)

†*†*†*†*†*†*†*†*

昨日お妙さんに言われた一言が、心に強く響いた。

「結婚したいしたいって、あなたいつもストーカー行為を繰り返してるだけじゃないですか。

具体性が無いのよ。」

確かにその通りだと思う。

いつも屋根裏や床下、押し入れやタンスの影で彼女を護衛してるだけ。

それだけ。

彼女もいい加減痺れを切らして、二人の具体的な将来のビジョンを知りたがっているに違いない。

俺は早速自室に籠もり、キレイな半紙と筆を用意した。

まず、そうだな…

結婚式はどこで挙げようかな？

華蓮さんの時は、屯所から花嫁行列を出して、神社で挙げたんだよな。

そんで和装と洋装、一着ずつだった。

そっか。
隊長クラスでそれなら、局長の俺の嫁さんならもっと沢山お色直しさせてあげなくちゃ！

式場と披露宴も、神社なんて狭い狭い！

本庁やかぶき町内の皆さんが大勢お祝いに駆け付けてくれるんだから、もっと広い…そうだなあ、高輪王子様ホテルとか、ホテル新大谷とかの有名どころじゃないとね。

そうそう！
結婚式の後、ハネムーンはどこに行こうかな？

やっぱ暖かい所がいいよな、ウン。

だってお妙さん冷え性だから、毎晩靴下履いて寝てるし、夜中に何度もトイレに行ってるもん。

まぁ具体的な場所はお妙さんに任せるとして…

次に新居か。

まさかこの男むさい屯所にお妙さんを住まわせるなんて訳にはいかんから、やっぱどこかに新居を構えなきゃかな。

よし！
ここは男らしく、思い切って一軒家でも建てるか！！

確か松平のとっつぁんが、この辺りにいくつか土地を持ってるはずだ。
一つ安く譲ってもらおう。

家はやっぱ日本家屋がいいよな。
ウン、断然日本家屋！

真選組局長の家だぜ。
門構えはドーンと瓦葺きで、塀は漆喰でダーッと囲む！！

…いや待て、お妙さんは和風建築と洋風建築、どっちが好きなんだろう？

…洋風が好きって言ったらそっちにしちゃおうっと。

それから結婚ってなるとアレだな。

真選組局長のお世継ぎ問題…

つまり子作り！

…って、キャア～何言ってんの、勲！
子作りとか気が早いゾ、勲ォォォ～！！

イヤイヤイヤイヤ、でもやっぱ大事だからね、これは。
一ッッッ番重要！

まずは男の子を作んないとな。

そういえば[産み分け]っていうのがあるらしいな。

妊娠する前に食事内容やら仕込みの日を調整して、男の子か女の子を産み分けるっていうアレ。

まぁ仕込みの日はどうにかなるとしても、うちの場合、食事は…卵料理しか出ない食卓になるだろうから、ちょっと無理かな。

あっ、忘れちゃいけない。
実家に残した新八君の事！

ご両親を早くに亡くした二人は、これまでずっと二人三脚でやって来たんだ。

その片割れを俺がいただくんだから、新八君は大層淋しくなる事だろう。

よし！
俺達の新居を建てるついでだ。
お父上が残した剣術道場である恒道館を、新装オープンさせちゃおう！！

あれやこれやと思い付くままにしたためた半紙は、約五十枚にも昇った。

気が付けば、外はもうすっかり日が暮れていた。

よし！準備ＯＫ！！

この【二人の未来予想図】をお妙さんの枕元に置いて来よっと。

.
†*†*†*†*†*†*†*†*
[前㌻] [次㌻] ［*］ﾎﾞﾀﾝで前㌻
［#］ﾎﾞﾀﾝで次㌻ †*†*†*†*†*†*†*†*
[←戻る] †*†*†*†*†*†*†*†*
†*†*†*†*†*†*†*†*