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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[37]４月１５日(銀時)

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｢そろそろ日も暮れたので、夕飯にしましょうね。｣

新八が言った頃だった。

｢ごめんくださ～い｣

しょぼくれたジィサンが万事屋を訪れた。

店じまいして飯にしようという時分に客が来ると、大人げなくも腹が立つ。

だが仕方無くその客人を奥のソファーに招き入れた。

・―・―・―・―・―・

｢え～、私は…｣

｢紙芝居のおじいちゃんアルヨ！｣

どうやら神楽はジィサンの存在を知っていたらしい。

｢そうです。

私は公園で手描きの拙い紙芝居を子供達に見せている者でございます。｣

ジィサンは、汚い風呂敷から厚紙で作った自作の紙芝居を出して見せた。

｢これまで連続モノで、[ゴニンジャー]というのを演じておったんじゃが、ワシもトシでねぇ…

なんやかんやでもう紙芝居が出来なくなったんですよ。｣

隣に座る神楽をいとおしそうに見つめ、髪を撫でながらジィサンは言った。

｢この子のようなかわいい子供達が、ワシの紙芝居を楽しみに待ってくれておる。

じゃがこれが最終回だというのに、ワシはもう演じてやる事が出来なくなってしまったんです…。

どうか万事屋さん、ワシの代わりにコレを公園で上演してはもらえないでしょうか？｣

ジィサンは丁寧に頭を下げた。

別に苦になるような仕事でもなかったので、俺は快く引き受けた。

ジィサンも喜んでくれ、饅頭を置いて帰って行った。

・―・―・―・―・―・

晩遅く、華蓮が仕事を終えて帰って来た。

｢ただいま～。

コレ貰ったんだけど、食べる？｣

華蓮が差し出した物は、先程ジィサンが置いて行ったのと同じ店の饅頭だった。

｢いつも公園で紙芝居見せてたおじいちゃん、知ってる？

あの方、昨夜突然亡くなったんだって。

今、そのお通夜に行って来たの。｣

ジィサンの饅頭も、華蓮の饅頭も、ハスの花の絵が付いていた。

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