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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[42]５月１０日(山崎)

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華蓮さんの新しい刀が、一週間という異例の早さで出来上がったらしい。

つーかあの人の事だから、たぶん無理矢理早く作らせたんだと思う。

華蓮さんの贔屓にしている刀匠・村田鉄子さんと、江戸一番のカラクリ技師・平賀源外さんのコラボレーションで制作され、噂では、局長の[虎徹ＺーⅡ]をはるかに上回る数々の機能を搭載しているとか。

それってもう[刀]じゃないじゃん。

[兵器]じゃん…。

・―・―・―・―・―・

｢ふ…ふぇっくし!!｣

う～、クシャミが出た。

あ、不覚にも鼻水まで一緒に出ちゃった。

やべ、ティッシュ持ってないや。

｢ザキ、これ使いなさいよ。｣

横からナイスなタイミングでティッシュを差し出された。

華蓮さんだ。

｢ありがとうございます。｣

俺は遠慮なくティッシュを頂戴し、鼻をかんだ。

｢もう一枚いかが？｣

あれ、今どっから出したんだ？

見ると、華蓮さんの刀のツバから次のティッシュが覗いていた。

なるほど、例の新しい刀か。

ティッシュ出てくるんだ。

これも噂の機能の一つか…。

おや？どこからか良い香りが漂ってきた。

花…かな？

｢華蓮さん、この香りって…｣

香りの出所を探していると、華蓮さんが刀の鞘を差し出した。

｢コレよ。鞘にデオドラント効果を施してもらったの。｣

わぁ、さすがに女性だな。

こだわるところが違うよ。

♪チャラリララ～…

あ、俺の携帯かな？

でも着信音が違う。

｢あら、かよ姫からメール来てるわ。｣

華蓮さんは刀の柄の底部から画面を引き出し、メールをチェックし始めた。

エェ～ッッッ!!通信機能まで装備されてんの!?

贅沢の極みだな。

他には一体どんな機能が付いてんだろ。

｢その刀、スゴイ機能がいっぱい付いてるんですってね。

他にはどんなのが付いてんですか？｣

華蓮さんはニヤリと笑い、一つ一つ説明し始めた。

｢そうね。ザッと数えても１０数は付いてるかな。

戦闘機能としてはピストル・催涙ガス・網バズーカ・警棒・ショックガン、その他はボールペン・孫の手・フリスク・裁縫道具・絆創膏・おやつ・万歩計…｣

何だよソレ!!

武器だけでもそんだけ付いてんなら、そもそも刀要らなくね!?

｢まぁ、【百華】に比べたら全然物足りないけど…

局長から買ってもらったもんだし、贅沢は言っちゃいけないわよね！｣

あ、この人今、｢ちょっと自分カワイイ♪｣みたいに肩すくめてペロッて舌出して言った。

すごーく贅沢言ってんのに、｢なんかカワイイからいいじゃん♪｣的にして誤魔化した。

｢この娘(こ)、【カトリーヌ】っていう名前にしたんだぁ。

(裏声)私、【カトリーヌ】よ。よろしくね！｣

だーかーらー、オバチャンかわいくないから!!

そんな事したってオバチャンかわいくないから!!

…なんか腹立つな、今日の華蓮さん。

つか、刀なのに何故に洋風の銘!?

｢お、華蓮。

その腰の刀は噂のアレか？｣

廊下の向こうから、土方さんが小指で耳をほじりながらやって来た。

すると華蓮さんはおもむろに刀の柄の腹から何かを取り出した。

｢土方さん、耳掻きありますよ。｣

え～っと…ドラえもん？

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