第40章


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 ・

テンガン山へと向かう、ハクタイシティの外れ――
辺りに誰も居ない事を確かめ、三匹のニューラは揃って大きく息を吐いた。
「はあ〜……ヒヤヒヤしたっつーの……」
「いつバレるかと気が気じゃなかったぜ、ギャハハハ!」
「まあ、何とか誤魔化せたみたいだし……もういいんじゃない?」
「ひゃはは〜! ……にゅ〜ん」
途端にマニューラの形がグニョグニョと崩れ、紫色の軟体に姿を変えた。
「しっかしよぉ、何だって俺らがしなくていい苦労をしなきゃなんねーんだっつーの!」
「マニューラの奴、言い出したら聞かねえからな、ギャハハ!」
「まったく、急にカントーに行くなんて、一体どういうつもりなのよ……あ、もしかして……
 ああ見えて、やっぱり薔薇の王子様に惹かれるお年頃だったりするのかしら?」
「……何言ってんのか全っ然訳わっかんねーっつーの」
「ないない、奴に限ってそれは絶対ない! ギャハハハハハ!!」
笑いながら彼らが再び歩き出そうとした時、メタモンがメスニューラの尻尾を引っ張る。
「にゅにゅ〜ん」
「ちょっと! 何すんのよエッチ! ……あら? 何それ?」
メタモンはニューラ達に、何やらボロ布に包まれた物を差し出した。
結び目の間に、マニューラが書いたと思われる、手紙らしき紙切れが挟まっている。
「何だこりゃ……相変わらず汚ねー字だっつーの」
ブツクサ言いながら、オスニューラは手紙を開いた。

『いつもテメーらには世話掛けて済まねえな。こいつはちょっとした礼ってやつだ。
 万が一、オレが戻ってこれねえ時にゃ、テメーらのうちの誰かが使いやがれ。
 くれぐれも、糞カラスやピザデブ共とケンカなんかすんじゃねーぞ。
 こわいこわ〜いピカチュウさま〜にカミナリ落とされっからな。
 そんじゃ、あばよテメーら。達者でな。
     強くて優しくて美しくて可愛くて格好よくて理知的なマニューラちゃんより』

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