第40章


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 時は少し遡り、六番道路。
「やれやれだニャー」
 ピカチュウ達を体よく送り出して、ペルシアンは大きな欠伸をしてぐいっと体を伸ばした。
「さてさて、余計な邪魔者もいなくなったことだし……早速二匹でお話しようかニャー、マニュちゃん」
 浮き浮きした様子でペルシアンはマニューラの方を振り向く。
「そーだな……」
 気だるく答えてマニューラは寄りかかっていた木からゆらりと身を起こし、頭の後ろに組んでいた手を解く。
瞬間、爪を剥き出し、間髪入れずペルシアンの喉元目掛け突き出す。
しかし、既にそこにペルシアンの姿は無く、爪先はぴたりと宙で止まった。
「……危ないニャ、いきなり何するニャ」
 頭上の木からの声に、マニューラはフンと鼻を鳴らして爪を収めてから顔を上げる。
「また気配も無く……やっぱ何か妙な力を持ってやがんな。なーに、本当に突き刺すつもりは無かったさ。
違和感の正体を確かめたくなってな。ついでにオレに気安くべたべた触ったら危ねーぞって忠告だ」
「手厳しいニャー」
 あっけらかんと答えるマニューラに、ペルシアンはしょんぼりと溜め息をついた。
「――んで、ボクに何を聞きたいんだニャ? こんなじゃれ合いの為に残ったんじゃないってのは、
分かりきってるニャ。ボウヤ達の前じゃしにくいような、血生臭い部類の話ってとこかニャ」
 飄々とした態度を一変させ、ペルシアンは鋭い眼差しでマニューラを見下ろす。

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