第40章


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 エーフィがその声の内容を発した瞬間、エーフィにミュウツーの姿が被って見え、
頭の中に様々な映像がフラッシュバックするように雪崩れ込んでくる。
上空から見た人間の都市部、町の中心を横切るように延びる鉄橋、
可笑しな円盤みたいなものが天辺についた塔、鮮やかな垂れ幕の下がった大きなビル。
そこから視点は地下へと潜り、地下道を人目を忍ぶように駆け抜ける影の姿を写したところで、
まるでテレビを消すように映像はぷつりと途切れる。
 直後、体が強烈な疲労感に襲われ、そのままふらりと木の葉の上に前のめりに倒れた。
「ど、どうしたニャ!?」
「ん――? おい!」
 驚いた様子のペルシアンとマニューラの声が響く。
「少しふら付いただけ、問題はない……」
 言いながらふらふらと俺は起き上がる。ミミロップ、ロズレイド、アブソル、ムウマージも同じように
倒れていたらしく、呻き声を上げながら起き上がってきた。
「お前達にも見えたか……?」
 俺が問うと、ミミロップ達は弱々しく頷き、ペルシアンとマニューラは訝しそうな顔をした。
どうやら直接ミュウツーと関わった者だけが先程の映像を見させられたようだ。
「ごめん……奴の残留思念……逆流して、止められなかった……」
 エーフィはがくりと顔を俯かせ、辛そうに肩で息をする。
「無理をするんじゃないニャ、エーフィ。ピカチュウ、アンタらには一体何が見えたんだニャ?」
「ああ――」
 俺はペルシアンに見えたものを話す。

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