第40章


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 デルビルは自分の体を見回し、脇腹に向けてすんすんと鼻を鳴らして身震いする。
「うえっ、今でも自分の置かれている状況が信じられねえよ。こんな獣臭い体で、一生過ごすなんて耐え切れねえ。
クソ不味い砂利みてえな餌を盗み食うのももうごめんだ。人間だった時に食ってた“餌”もたかが知れてたが――
毎日のように食ってた安弁当、人間だった時は飽き飽きしてたが、今じゃあんなもんでも恋しく思えるぜ……」
 はあ、とデルビルは深々と息を吐く。
「あんたが臭うのはどうせ不潔にしてるせいだし、今も昔もろくなもの食べられないのはうだつが上がらないせいでしょ」
 軽蔑の視線を向けながらミミロップは辛辣に言い放つ。
「う、うるせえ!ちくしょう、俺の手持ちだったポケモン共もこんな生意気なこと言ってやがったのかな……」
 ぶつくさとデルビルは呟く。
「構っていられん。行くぞ、お前達」はーい、とミミロップ達は応えた。
「おい! 俺は無理やりでもついて行くからな!」
「勝手にしろ。足手纏いとなれば即刻見捨てて置いて行く」
「意地でも喰らい付いて行ってやるさ……!失うものなんざ何もねえんだ、なりふりかまわねえぞ」
ぐるぐると唸るようにしながらデルビルは言った。
 利用できるところまで利用して、妙な素振りを見せたら容赦なく討てばいい。どうせ元はポケモンにとって、
いや、人間にとっても害悪でしかなかった部類の輩だ。情けをかける余地は無い。
「頼れる愉快なお仲間が出来たみてぇで良かったじゃねーか。怪我しないように精々気をつけて行ってきな」
 皮肉めいた様子でマニューラは手をひらひらさせる。
「ええ!そんな、マニューラさんも一緒に来てくれるんじゃないんですか?」
 ロズレイドが驚いたように言う。

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