第40章


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「……言われなくても分かってるニャ。そういえばアンタも前は見かけなかったけど、
新顔かニャ? まー、どうでもいいけどニャー」
 ペルシアンは不機嫌そうにロズレイドを睨み返し、蔑むように言った。
「元、ロゼリアですよ。進化した今はロズレイドって言いますがね」
「あー、あのおチビちゃんニャー。言われて見れば面影がある気がするけど、すっかり存在を忘れてたニャ」
「ほー、そうですか。体だけじゃなく、頭の中まで白くて空っぽなんですかね」
 ロズレイドとペルシアンは顔を突き合せ、火花が散りそうなほど視線をぶつけ合う。
そんな二匹の様子を見てミミロップはくすくすとどこか微笑ましそうに笑い、アブソルとムウマージはぽかんとし、
俺とマニューラは怪訝に首を傾げた。ちょっとしたことですぐに熱くなるような奴でもなかったのに、
最近のロズレイドの行動はどうにもよく分からん。進化した影響なのだろうか?
 何にせよ、取っ組み合いに発展する前に止めねばな。
「そのくらいにしておけ。内輪でくだらぬ揉め事を起こしている場合ではないだろう」
 ふん、と二匹は互いに顔を背けた。
「……口惜しいけど、そろそろ本題に入るかニャ。プテラから大体の要件は聞いてるニャ?」
「ああ。保護しているエーフィは今どうしている?」
「意識が戻った直後は怯えきって錯乱してたけど、今は大分持ち直してるニャ。ま、ついてくるニャ」

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