第40章


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「いよう、ロゼ。なんだ、行く時は捨てられた犬みてーな面してたくせに、もう元気じゃねーかよ」
 マニューラは飼い犬を撫でる様にぐしゃぐしゃとロズレイドの頭を撫でる。
……最早、師弟というより主人とペットだな。
「おっかしーなー、嫌なものを感じ取ったような気がするんだけど……修行不足?」
 ミミロップは首を捻り、ぼそりと呟く。
 俺は心の底から溜め息が漏れた。やはり、またマニューラが付き纏ってきた。どうしてこう予感というものは
ろくでもない物に限って当たってしまうのだろうか。
「今度はどういうつもりだ」
 聞いてもろくな答えが返ってこないとはわかりつつ、半ば形式的に俺は尋ねる。
「オレもジョウトに用事が出来た、それだけだ」
 予想の範疇にぴたりと収まる、おざなりな答えが返ってきた。
「勝手にするがいい。俺達はここでしばらく休んでから行く」
 俺は投げ遣りに言い、壁際に座った。
「そーそー、敵に備えて体力は大事に温存しなきゃーな。オレも飛ばしてきて疲れたし、ご一緒させてもらおうか」
 くく、と挑発的に笑い、マニューラはどかりと座り込んだ。
「……もう好きにしろ」


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