第40章


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 不可解な行動ながら、冗談や何かでやっているようには思えない。
「一体、何をやっているのだ?」
 直接声をかけるのも何か躊躇い、俺はロズレイドに小さく尋ねてみる。
「しっ。波動を読んでいるんですよ」
 そういえば、俺がいない間に何やら修行をして来たといっていた。その成果がこれか。
「何だかちょっと、黒くて冷たい嫌なものも少し感じる……殺気、恨みの類かな? 気をつけた方がいいかも」
 ミミロップはすくと立ち上がり、俺達が今まで来た暗闇の方に向かって構えを取った。
「……アブソル、下がっていろ」
「う、うん」
 俺はアブソルを後方にやり、頬に電気を集める。ロズレイドも手の花から毒針を伸ばし、
ムウマージも目を吊り上げてローブの裾を揺らめかせ始めた。その横でこっそり自分も安全な背後に
逃れようとしているデルビルをとっ捕まえて前線に引き戻し、俺達は暗闇を注意深く見張る。
じっくりと耳を澄ましてみれば、確かに微かな何かの足音が聞こえてきた。足音はどんどんと強まり、
闇の中に浮かぶ光る二つの眼がすぐそこまで近づいてきているのが確認できる。俺達は息を呑み、
姿が薄明かりに晒されるのを待った。暗がりの奥から現れたのは――。
「何だ、オメーら。まだこんな所でチンタラしてやがったのか」
 その正体に、俺達は気が抜けたように息を吐き、構えを解く。
「ま、マニューラさんっ! どうして!」
 素っ頓狂な声を上げ、ロズレイドは飛び付きそうな程に喜び勇んだ様子でマニューラに駆け寄っていった。

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