第40章


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「ふうむ」
 ペルシアンは尻尾をぱたぱたとさせて頭を巡らせている素振りみせる。
「どこか分かりそうか?」
「いーや、悪いけどさっぱりだニャ。ジョウトに追って来いって言っていた以上、ジョウトにある場所なんだろうけど、
残念ながらボクもジョウトのことは詳しくないんだニャー。鳥達も中々あっちには行けない事情があってニャ。
だけど、知っているかもしれないヤツを一匹知ってるニャ。覚えてないかニャ、自分の事を元人間だって言い張る、
人間の言葉を話す胡散臭いデルビルのことを」
 そういえば、奴も俺達に紛れてちゃっかり崩落を逃れていたのか。あの時はレッドの安否と
アブソルの容態が気がかりで、奴にまで気をかけている余裕は無かったが。
「ヤツも今ウチで預かっているのニャ。本当に人間だったのなら人間の都市にはそこそこ詳しいはずだニャ。
連れてこさせるから一応聞いてみるといいニャ」
 ペルシアンはほら穴を出て鳥達を呼び寄せ、指示を出した。しばらくして大きな鳥の羽音が響き、
何かを半ば落とすように乱暴に置いていった。
「もっと丁寧に降ろせ、アホ鳥め!」
 人間の言葉で文句を叫ぶ声が聞こえてくる。
「届いたようだニャ」
 
――「ああ、そりゃきっとコガネシティだ、任務――いや、旅行で何度も行ったから間違いねえ。
垂れ幕のビルはコガネ百貨店、塔はラジオ塔、町を横切る鉄橋はリニアの線路のことだろうな。地下通路もあるぜ」 
 そこがジョウト地方のどこかにある都市である事と、特徴的な建物の事を簡潔に伝えると、
デルビルはすらすらと一致する場所を当て嵌めて答えてみせた。

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