片思い


[16]家





・・・・家に帰っても誰もいない。


だから、バイトから帰る瞬間がかなり淋しい。





ガチャ




『ただいま。』


もちろん、家には誰にもいないけど一応言う。


癖みたいなもん。








そう思っていたら・・・・



プルルルル・・・・・・



電話だ!しかも携帯。


この音楽は確か、電話。


『はい。あっ美咲ちゃん!』



「あんたがまた辛気臭い事思ってないか、電話したの!」



そ・・・・その通り。

さすが、幼なじみで親友。


前、住んでいた所が美咲ちゃんの家の隣で仲がいつしか良くなった。



『その通りですよ、美咲さん。』



「やっぱりね!引越したって言っても真反対なだけでしょ?戻ってきなよ!」



・・・でも、出来ないよ!


もう、戻るなんて・・・・


『あたしもう決めた事だから・・・・・!』



「思いだすから?」


『うん。それもあるよ!でも、いつまでも美咲ちゃんのおばさんやおじさん、そして美咲ちゃんにも甘えられないから。』




そう、決めたから・・・・




心配させないために。






『うん。美咲ちゃん!電話ありがとう。』



「なら、いいけど無理しないでよ。」









あの時、もう泣かないって決めたんだ。


だからあたしは辛くても笑ってる事にしたんだ。







過去も大切だけど1番大切なのは、今だから。

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