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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[36]４月８日(土方)

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女子隊がまたバカみたいに人数増やしやがって、今までの倍に膨れ上がった。

お陰様で俺ら男子隊のお荷物もそんだけ増えたっつー訳だ。

今日も[研修]とかいう名目で、新人女子隊士を数人連れて歩かされている。

見るもの聞くもの、いちいち全てにキャーキャー騒ぐ女子隊士にイライラしながら街を巡っていると、後ろから声を掛けられた。

｢おぅおぅ。

若い姉ちゃんはべらして、キャバクラ気取りですかコノヤロー。｣

アイツだ。

俺の勘に障る事ばかり吹っ掛けてきやがる、銀髪のアイツだ。

｢うっせーな。

俺だって好きでこんなガキ連れて歩いてるわけじゃねぇんだよ！

仕事中にちょっかい出してっと、公務執行妨害で逮捕すんぞ、てめー!!｣

鬱陶しい万事屋を威嚇してやろうと腰の刀に手をやると、足元に何か温かいものを感じた。

それはやがてズボンと靴下に滲み、俺の足に到達した。

何だろうと見てみれば…

子犬が小便引っ掛けてんじゃねーか!?

｢グッジョブ！

グッジョブだよお前!!

今日一番のいい仕事したよ、お前!!｣

万事屋は指差してヒイヒィ笑っている。

唖然としている俺に向かって、子犬はしたり顔で足に砂を掛けやがった。

｢かわいいだろ、ソイツ。

[金ちゃん]って名前なんだ。

里親探しの依頼があって、あちこち歩いてんだけどさァ…

いや～まさか[鬼の副長]に小便引っ掻ける度胸のある名犬だったとはなァ～。

ヒヒヒヒヒ…｣

万事屋と子犬の仕打ちにワナワナと震える俺を前に、新人達はまた｢キャー｣だの｢かわいい｣だのと騒いでいる。

｢早く洗濯しに帰った方がいいぞ、ソレ。

匂い染み付いちゃうから。

犬のオシッコの匂い付いたら、まさに[犬のおまわりさん]になっちゃうから、コレ。

アハハハ～ッ!!｣

クッソーーーーーーー!!!

新人の前で恥かかせやがって…

覚えてやがれ、万事屋!!

この[鬼の副長・土方様]を怒らせたらどんな目にあうか、いつか思い知らせてやる!!

万事屋は腹抱えて笑いながら、子犬を連れてバイクで走り去った。

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あー胸クソ悪ッッ。

アイツのツラ見るだけで腹立つってのによォ、犬にまでバカにされるたぁな…。

そんな事を思いながら屯所でズボンの裾を丁寧に洗っていると、近藤さんが廊下を小走りでやって来た。

あれ？何か抱えてる…

｢トシ、見て見て！

この子犬、かわいいでしょ!?

でもね、かわいいだけじゃなくて、[鬼]にオシッコかける勇気がある名犬なんだって!!

スゴイでしょ、ね、スゴイでしょ!!

だから飼っていいでしょ、[金ちゃん]飼っていいでしょ!?｣

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