第18章


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「わかったポ……ゴホン」
「了解だ。我ら七武海、エレキブルとドーミラー、海賊討伐に力を貸そう」
「しょーがねえなぁ。暇だしやってやるぜ。ヒャハ!」

 ドンカラスは左羽でキュッと、頭の帽子みたいな羽毛を被り直す様な仕草をする。
「へっ、決まりだな。マニューラ、締めはてめえに任せやした。一発、士気が高まるようなやつをお願いしまさぁ」
「ヒャハハ! 任せな」
 マニューラはテーブルに上がり、すうっと大きく息を吸い込んだ。そして荒々しく声を上げる。
「聞けえ、てめーら! これから潰しにいくのは何だ!?」
「223番水道にいる海賊!」食堂に集まるポケモン達が、マニューラに一斉に応じる。
 マニューラはニッと不敵な笑みを浮かべた。
「そのとーり! 飼い主が留守の間に、番犬が間抜けなせいで住み着かせちまった害虫共だ!
オレ達、間抜けな番犬は、おっかねえ飼い主様が帰ってくる前に、害虫共に噛み付いて教えてやんなきゃならねえ――」
 マニューラはテーブルから飛び降り、ピカチュウのマントにも刺繍されている雷をモチーフにした紋章を、食堂の壁に鉤爪で刻み込んだ。
「このシンオウの家主は、オレ達の飼い主であるピカチュウだってな! ヒャハハハハ!」
「おうッ!」ポケモン達が沸き返る。

 そんな中、ドンカラスはぼそりと呟いた。
「あの壁、帰ってきたらあの糞ネコに直させねぇとな……」



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