第41章


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 山猫は子猫とあいつを交互に見ながら、しばらく黙りこくっていた。
 だが、やがて何かを決意したように、あいつにまっすぐ顔を向けた。
「分かった……信じるよ。たとえ騙されても、ここで何もしないよりはずっとマシだ」
「ありがとう。君は強い子だな。さあ、早くお嬢さんを連れてそこから出るんだ」
 ガキ共は頷き合い、寄り添うように連れだってコンテナから出てきた。
「おいおいペカチュウよぉ、まさかこいつらも……」
「当然だ、さっきも言ったじゃないか。一緒に連れていくよ」
 あっしは呆れ返り、大きく溜め息を吐いた。
 ああ、やれやれだ。生意気で小難しい糞ガキに加え、とんだオマケまで付いちまった。
「本当にこんなんで大丈夫なのか?」
「大丈夫だ、問題ない」
 そう言って奴はニヤリと笑いながら片目を瞑り、ビッと親指を立てた。
 全く……変なフラグじゃねえだろうなぁ――


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