第三章
[04]秘密
ー爽貴ノ部屋ー
「…爽貴、落ち着いたか?」
「うん、大丈夫。」
これは爽貴様をソファーに座らせ隣に座った。
「爽貴…。」
コンコンコンコン
「…はい。」
「関与です。」
「隠れて!
貴方が牢獄から出ている事は知らないの!きっとお父様の口から話すはずだから。」
「わかった。」
これは隣の部屋に入り隠れた。
「失礼します。
爽貴様、さがしましたよ!
無事で良かったです。
北館四階でボヤがあり駆け付けた所鍵が閉まってたので入れなかったんだ。」
(丁度あの人が閉じ込められた後に関与がきたんだわ!)
「っで鍵を持って来ると不思議なことに窓硝子が割れていたんだ。」
(丁度脱出した後にまた関与が来たのね。いわゆる間一髪ね…。)
爽貴様は掌にジワッと汗がこもるのを感じた。
彼は隣の部屋で溜め息をつき腕を組みながら立ち聞きしていた。
「関与、彫雲が帰って来たわ。
無事に戻ってこれて良かったわ!」
関与は一気に表情が暗くなった。
「俺も会いました。
…本当だったら喜ぶのが普通なんだよな。」
「そぉよ!貴方より私の方が喜んでいるわ!
確かに何も言わず行ったのは駄目だと思うけども、彫雲がもしか亡くなりでもしていたら八つ当たりや甘えれる相手すらいないわよ!」
関与は照れ臭そうに俯き、爽貴様の肩にコツンと当てた。
「あ…え!?。」
「まぁ、甘えれる相手はいますけどね!」
「そそそ、それなら良かったわ!」
笑いながら頭をパッと上げた。
「へへ…、あっ!爽貴様、会議室に彫雲率いる兵七人をお連れしています。
後二人は呂国の偵察時に昔の剣豪仲間を連れ、仲間に加わったと話をきかされました。
毘禅様からは緊急のお話があるそうです。」
(多分、彼の事だわ…。)
「解ったわ。
急いで支度するわ。
わざわざありがとう。」
「はい!それでは失礼します。」
関与が出て足音が遠ざかるのを確認した。
「出て来て大丈夫よ。」
「…危機一髪だったのだな。」
「見つからなくてよかったわ。
私はもう大丈夫よ!
お父様のとこに行ってきて。」
これは少し寂しそうな表情をした。
「…わかった。
何かあれば必ず呼べ。」
「ありがとう。」
彼はそのまま部屋をでた。
その後爽貴様は支度をし、会議室へ向かわれました。
これは毘禅様と話をしに王室へ向かったが、何か違和感を感じていた。
ー璃燕先生ノ部屋ー
「…捕まえたのは良いが、取り敢えずは会議が始まるまでここにいてもらう」
璃燕先生は険しい表情で先に捕らえた研究者を上から見ていた。
勿論、捕まているのは青龍である。
呼び出した主が命令を下すまで無限に捕らえ続けているのだ。
「ガハハハ。
国王様は無事だったかね?」
「…どういう事だ?」
「璃燕君が彫雲の術をときに行ったんだろ?」
「術をかけたのは貴方か?」
「さぁね。」
「…いや違う。
彫雲から出て来た黒い物は呂国の方角へ飛んでいる。
貴方がかけたなら王宮内に飛んでいるはず。
となると他国の者の仕業…。
どうやら貴方も関わっているご様子ですね。」
「…クソッ!」
「しばらくの間ここにいて貰います。
青龍、私は今から隣の部屋に篭ります。
なにかあればやむを得ない場合食いちぎりなさい。」
青龍は瞬きをし、返事をした。
それを確認した璃燕先生はそのまま隣の部屋へと向かった。
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