第43章


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 人通りを避けた山林の中に庇のように突き出した岩壁を見つけ、
あっしらはその下で野営を張ることにした。マフラー野郎の指示のもと、
全員で手分けをして周辺から木の実等の食料と、枯れ葉や小枝を拾い集めていく。
「ひゃは、くらえッ、オレ式リーフストーム!」
「ぴゃッ!?」
 あっしが面倒ながら地道に小枝を拾い集めている脇で、早々に飽きたのか、
子ニューラが折角集めた葉っぱをチビ助にバサバサと浴びせてじゃれ出す。
「おら、遊んでんじゃねえ! ちゃんと手伝いやがれってんだ」
「ちぇっ、うっさいなー。分かったよ」
 あっしが怒鳴ると、渋々と子ニューラは散らかした葉っぱを片し、抱え直した。
そんな様子を横目にニャルマーは溜息をつき、マフラー野郎はクスと微かに笑みをこぼす。
「よし、もう十分集まったかな」
 持ち寄った食料と、中央にこんもり積まれた小枝と木の葉を、マフラー野郎は満足げに
見回して言った。
「ちょっと離れていてくれ」
 言って、マフラー野郎は指の間に電流を弾けさせ、小枝と木の葉の山に火を灯す。
火は徐々に大きく燃え上がり、あっしらは食料を分け合って火を囲んで座り込んだ。

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