第43章


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 新たに課せられてしまった課題に四苦八苦励みつつ、俺は彼女の後に付いて村を見て回った。
村には特にめぼしい物も無く、素朴な造りのこじんまりした家々が点々と並び、
その隙間を埋めるみたいに野菜畑や色とりどりの木の実が生る小さな木立が広がっていた。
だが、寂れた侘しい寒村というような悪印象は受けず、何と言うかまるで絵画の世界から
そっくりそのまま抜き出してきたかのような、時代に取り残されてしまったと言うよりも、
自らの意思でゆっくり歩んで古き良きものを保っている、そんな純朴で牧歌的な温かみを感じた。

 時折道を行く人や、農作業に精を出している人、人々に随伴するポケモン達も皆、
俺と彼女に気付くと気さくで朗らかに声をかけたり手を振ってくれた。
彼女は馴れ親しんだ様子でにこやかに応じつつ、練習の成果を試す良い機会だと彼らに愛想よく
挨拶を返してみるようにそっと俺に促した。俺の何だか不慣れでぎくしゃくとしているであろう笑顔に、
彼らは何だか少しだけ不思議そうな顔をしつつも優しく受け入れてくれているようだった。

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