第39章


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 確かにギラティナの行いは行き過ぎたものだったかもしれない。
しかし、何故ここまで己さえも投げ打って世界に尽くそうとした?
「創造主への反逆、他領域への侵略、略奪行為、許しがたい蛮行である。極刑も已む無しと私は判断します」
 思い悩む俺を前に、冷徹にパルキアはギラティナに言い放つ。
「私は一向に構わぬ。世界の維持を、役目を否定された今、もう私に存在する理由は……見つけられない」

 そうか。こやつ自身もまた世界と同じ――親を、アルセウスを否定しながらも、その引く手、かつて生み出された時に課された役目を無くせば碌に歩めぬ、道迷う幼子――!

「ふむ、潔いですね。神族である誼みと、その意気に免じ、せめて苦しまぬよう中枢を一太刀で――」
「ま、待って!」
 俺よりも早く、アブソルが声を上げた。

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