第39章


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ギラティナは言った。
世界は大きな幼子のようなもの。
手を引いて導いてやらねばすぐに転び、道に迷ってしまう。

だが、奴は大切な事に気付いていなかった。
幼子はいつしか逞しく成長し、親の元から旅立っていく、という事を。
そして、自分の足でしっかりと大地を踏みしめ、自分の道を歩んでいく。
たとえ大きな壁にぶつかったとしても、自分の手で乗り越えていかねばならないのだ。
それが、未来を託す親の願いであり、希望を託された子の使命である。

――なあ、そうだろう?

俺は、心の中で、あの懐かしき面影に呼び掛ける。
遥か遠くに消えていく意識が、微かに……だが、確かに頷いた……

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