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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[42]７月２６日

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寺子屋が夏休みに入り、公園は子供達で溢れかえっている。

毎日それに混じって総悟君と神楽ちゃんも汗だくになりながら、虫バトルに明け暮れている。

あれ以来胸のつかえが取れたのか、二人共よくごはんを食べるようになった。

｢山田隊長、見廻り御苦労様でした。

あの、またこんなモノが…。｣

屯所玄関の見張りをしていた男子隊士が、私に手渡す。

また矢文か。

このところ、屯所に妙な矢文がひっきりなしに届くのだ。

しかも全部私宛。

内容はというと…

『私の銀さんに近寄るな』

『銀さんのお嫁さんになるのは私』

『私と銀さんは、もうあーんな事や、そーんな事や、こーんな事もしちゃってますから』

といった幼稚なものばかり。

始めは気にも留めなかったが、さすがに一週間も連続で届くと気味が悪い。

もちろん文中に登場する銀時に真相を聞いてみようとはしたが、今は大口の仕事が入っているとかで連絡が着かない。

一体コレは誰からの手紙？

銀時には、私以外に特定の女性がいるのかしら…。

・―・―・―・―・―・

土方さんから呼び出された。

副長室へ行くと、障子を開けっ広げ、風通しの良い床の間の前でタバコを吹かしながら待っていた。

｢まぁ座れや。

…ところで例の矢文の件だが、お前、心当たりは無いのか？｣

あるわけない。

あったらとっくに自分でその女を始末しに行ってる。

｢そうか。

お前も御存知の通り、俺ァ万事屋の奴の事は大っ嫌いなんだが、しかしなぁ…

俺にはあいつが二股をかけるような奴には思えねぇんだよな。｣

私だって信じてる。

…てか、信じたい。

けど銀時は不在だし、女の正体も分からないんじゃ真相の掴みようがない。

｢これは一般的に言えばストーカー行為にあたり、もちろん逮捕も可能だ。

しかし真選組(うち)に限って言えば、逮捕は出来ない。

何故なら…分かるよな。｣

分かりますよ。

お頭がストーカーやってるようなとこが、ストーカーを逮捕する権利は無いって事ですよね…。

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