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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[64]１０月１８日

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銀時が退院出来る事になった。

抜糸はまだだが、私が消毒やガーゼ交換をするという条件付きで。

今日は私にとって特別な事が重なる日だ。

一つ目は銀時の退院。

二つ目はこれからのぞむ入籍。

そして三つ目は…

ミツバちゃんの一周忌。

一周忌の法要は、弟の総悟君たっての希望により先日既に総悟君のみで執り行われたので、私はお墓参りだけする。

・―・―・―・―・―・

｢おめでとうございます。

これにて婚姻届が受理され、入籍が完了致しました。｣

別れ・再会・互いのケガなど紆余曲折を経て、ようやく銀時と婚姻を結ぶ事が出来た。

銀時と顔を見合せ、笑みを浮かべて喜びを確認しあう。

｢おやおや、その包帯…御主人様はお怪我をなされているんですか？

奥さん、お大事にして差し上げて下さいね。｣

『御主人』
『奥さん』

初めて呼ばれた新しい名称が何だかくすぐったい。

銀時も照れて困惑した表情だ。

今日から私は『坂田さんちの奥さん』坂田華蓮か…。

・―・―・―・―・―・

お役所を発ち、その足で銀時と共にミツバちゃんのお墓へ向かった。

途中、バカの一つ覚えで、またヘドロさんの花屋でピンクの花束を買う。

｢おや、山田隊長。

今日もまたお友達のお墓参りですか。

それも彼氏と…ウフフ。｣

ヘドロさんが不気味な笑顔で、無邪気にからかった。

すると傍らの銀時がニヤリと笑い、自慢げに口をはさんだ。

｢おっとヘドロさんよォ、もうこいつは『山田さん』じゃないんだよなぁ～。

『坂田さん』なんだよなぁ～。

それとオレは『彼氏』じゃなくて、『旦那様』なんだよなぁ～。｣

ヘドロさんは大きな目玉をさらに大きく見開き、驚いていた。

そして…

｢んまあぁ～～～、そうだったんですか!!

お二人は結婚なさったんですか!!

それはおめでたい。

あっ、じゃあお祝いにどれか差し上げなくちゃ…ハイ、これ。｣

手渡されたのは真っ赤なガーベラの花束だった。

｢真っ赤なバラも似合うけど、この花が一番華蓮さんに似てるから…。

強くて真っ直ぐな茎

肉厚で美しい花びら

まさに華蓮さんそのもの！｣

赤いガーベラ
私も大好きな花だ。

帰ったら生けよう。

二人の部屋に…。

・―・―・―・―・―・

ミツバちゃんのお墓まで行くと、思わぬ参拝客に出会った。

土方さんだ。

お盆同様またマヨネーズを供えし、合掌している。

｢…おぉ、華蓮か。

あ、万事屋も…。｣

私達に気付き、顔を上げた。

｢そういやぁ今日入籍したんだってな。

…オイ万事屋、こいつは俺と盃を交わした大事な妹分だ。

以前にも同じ事を言ったが…

こいつを泣かせてみろ、只じゃおかないからな。

泣かせるような事があればオレが即刻…たたっ斬る。｣

銀時を真っ直ぐに見据えて訴える土方さんに、銀時がいつになく真剣に答えた。

｢あぁ。分かってるよ。

てめーのカミさんくらい、てめーで守ってみせらぁ。｣

土方さんはニヤリと口角を上げ、私達に背中を向けた。

そして一言

｢…幸せにしてもらえよ。

どんな事があっても、二人絶ッッッ対離れるんじゃねーぞ。

じゃあな。

……結婚オメデトサン。｣

そう言って立ち去った。

ミツバちゃん

私達結婚したよ

土方さんとミツバちゃんの分まで必ず幸せになるから

これからも見守っていてね。

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