第41章


[94] 


「どうだか。アタシの知ってるニューラ共は、けじめなんて厳格なもんとは程遠いごろつき共だったよ。
そんな決め事、ちょいと小腹が鳴ったら最後、コロッと忘れちまいそうなもんだね」
「親父はそんなヤツらとは違うやい!」
 顔を真っ赤にしてニャルマーに食って掛かろうとする子ニューラを、マフラー野郎は間に入って抑える。
「まあまあ、落ち着いて。君の言うことはちゃんと信じているから、な」
 宥められながらも、子ニューラは低く唸りながらマフラー野郎の隙間からニャルマーに怒った視線を向けていた。
「ごめんよ、大好きなお父さんのことを悪く言われたら、怒るのは当然だ。だけど、ニャルマーも、
大切なコリンクが心配で、少し刺々しくなっているだけなんだ。許してあげてくれないかな」
 子ニューラを宥めながら、マフラー野郎は肩越しにちらりとニャルマーを窘める様に見やった。
ふん、とニャルマーは顔を背け、それに負けじと子ニューラもぷいとそっぽを向く。
「ま、仕方ないか。今のところは」
 薄く溜め息を漏らし、マフラー野郎は妥協したように呟いた。

「無事に預かってくれているのなら、俺達はコリンクを迎えに行かなきゃな。君のお父さん達が居る、
その里までの道を案内してもらえると助かるんだけれど」
 改めてマフラー野郎が頼むと、子ニューラは再び悩む素振りを見せる。
「うーん、里の場所は仲間以外には内緒にしないといけないんだけど……。おまえ、いいヤツだしなー……」



[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.