第40章


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「ではミュウツー達は、そのコガネシティという所に居るのか?」
「でも、百貨店やラジオ塔やリニア線路……って、どう考えても人間の多い街ですよ?
 地下通路にしたって、恐らくは人間が通行する為に作られたものでしょう?」
俺の言葉に、ロズレイドが異を唱える。
確かに、カントーで言えばタマムシやヤマブキ、シンオウで言えばコトブキやトバリのような、
人間が言うところの、都会的で拓けた場所には違いない。
「ミュウツーだけならともかく、そんな所に人質も含め、大勢のポケモンが隠れていられるでしょうか?
 エレキブルさん達がギンガ団の跡地を利用しているのとは訳が違うんですから」
「ふむ……ならば、お前はこれをどう捉える?」
「そうですね……」
暫し沈黙した後、おもむろにロズレイドは考えを述べた。
「時間的に見て……例えテレポートを使ったとしても、そんな即座に移動できるとは思えません。
 もしかしたら、我々が見た風景は……ミュウツーの記憶の中の景色かもしれません」
「奴の記憶?」
「飽くまで僕の推測ですが、ミュウツーは……過去にジョウトへ行った事があるのではないでしょうか。
 いくら強者とは言え、自分が全く知らない場所では、戦闘において優位に立つ事は難しい筈です。
 既に奴らは何らかの策を講じた上で、我々を誘き寄せようとしているのだと思います」
「ならば、コガネシティの風景を見せたのも、奴の罠だというのか」
「そこまでは分かりませんが、僕達にとって厄介な場所である事は、まず間違いないでしょう」
「ヒューヒュー!ちったあ戦略家らしくなってきたじゃねーか。ロゼちゃんてば冴えてるぅ〜!」
マニューラに囃し立てられ、ロズレイドは急に照れたように頭を掻く。
「まあ、それはいいとしてだニャ……」
ゴホン、と咳払いをし、今度はペルシアンが二匹の間にどっかりと割って入る。
一体こいつらは、いちいち何をしておるのだ?

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